約束を守らせるため、子供に罰を与えるけど言うことを聞いてくれない…実は、効果的な罰の与え方やおしおきには秘訣があるのです。子供に約束を守らせる方法や、親が陥りがちな心理も合わせて、効果的に罰を与えるコツを確認していきましょう。
- 罰を与えても子供が約束を守らない
- 子供が反省する罰の与え方を知りたい
- イライラして子供におしおきするけど上手くいかない
- 約束を破る子供の心理がわかる方法を理解したい
子供はなぜ約束を破るのか、その心理
子供が約束を守らない主な理由は
- 親の気を引きたい
- 親への反抗
- 苦労から逃げるため
という心理があるため。これらの3つの心理について詳しく見てみましょう。
1.親の気を引きたい
子供は、親にあまり構ってもらえない場合、親ともっと関わりたくて約束を破ったり嘘をついたりする心理があります。
2. 親への反抗
子供の反抗期は一般的に2~3歳ごろ、小学校低学年、中学生以降の思春期と3回訪れ、自立のために必要な時期です。反抗期では親に何かと反抗し、約束を守らなくなりますが、本人もその理由はよくわかっていません。
3. 苦労から逃げるため
子供は想像力が十分に身についていないため、やらなければいけない事があっても、目先の楽しいことに流され、つい約束を破ってしまいます。
このように、子供が約束を破る理由や心理的な背景は状況によって大きく異なります。したがって、約束を守ってもらう効果的な方法は、その時に応じた子供の心理を読み取り、叱るたびに適切な方法を実践することです。
子供に罰を与える意味と目的
約束を破った子供に罰を与える行為は、行動に責任を取らせる効果的な教えです。たとえば子供のおしおきとして、
- 何度言ってもゲーム時間の約束を守らなかったので、食事抜きの罰を与える
- 約束の時間以上にテレビを見たため、3日間テレビ禁止という罰を与える
- 約束をしていた家事をしなかったので、お小遣いを減らす罰を与える
などの方法がよくあげられますね。
これは罰を与えることで、いけないという意識が強く残り、おしおきを繰り返すと子供は反射的に叱られた行為をしなくなるという心理効果があるため。
特に罰を与えられた事実だけではなく、罰を与える理由まで子供にしっかりと記憶させる方法が、おしおきとして非常に効果的です。
どんな子供に罰を与えると効果的か、タイプ別の方法
子供が約束を破った理由によって、効果的なおしおきの方法が異なるのをご存知ですか。特に罰を与える際は、そのときの子供の感情や心理を丁寧に読み解く必要があるので要チェック。
1. 親の気を引きたい
この場合、子供は親からの愛情を確認したいだけなので、子供に好きという感情を伝え続けることが大切。このケースで罰を与えてしまうと、子供は親から愛情を受け取ることがいけないという心理に陥り、心を閉ざしてしまうので注意が必要です。
2. 親への反抗
このような子供に罰を与えて頭ごなしに否定すると、かえって意固地になって反抗期が長引き、関係がこじれてしまうことも。イライラせずに「成長に必要なことだ」と受け流し、その子供のよい点を褒めていくことに重点を置くことが効果的です。
3. 苦労から逃げるため
このタイプでは、約束を破った際に適切な罰を与えることで、子供にやらなければいけないことを強く意識させる心理を養うことができるため、効果的。また、不足している想像力を補うかたちで、実際に子供に行動させる原動力となります。
罰は子供にとってインパクトが大きく、適切に罰を与えることで、約束を守るように意識を矯正する心理効果があるのが特徴。そのため、だらけて約束を破ってしまうようなタイプの子供には、罰を与える方法は効果的なおしおきであり、しつけと言えます。
子供に不適切に罰を与える怖い心理影響
このような効果的な罰も与え方を間違うと子供への影響が怖いもの。罰の与え方には注意しなければなりません。実は、何度も不適切に罰を与えられた子供の心理や性質は次第に、
- 罰を与えられることに慣れる
- 罰から逃れるために嘘をつく
- 攻撃的になる
と3つのステップで変化してしまうもの。
また、子供にとって嫌な記憶や心理は長期間持続するのが特徴。そのため、罰の与え方が不適切の場合、時間が経つと「罰を与えられた」という事実のみが記憶に残って罰を怖がるようになり、結果として子供の自主性が失われてしまう心理的なリスクもあるので注意が必要です。
子供を納得させることが大切
子供におしおきを与える理由は反省を促すこと。そのため、約束を破った子供に罰を与える時は以下の点を明確にすることを意識しましょう。
- なぜ子供は罰を受けたのか
- 子供のどの行動がダメだったのか
- 今後その子供はどうするのか
罰を与える時にこの3つをしっかりと子供と向き合って伝えることが最も効果的な方法です。
1. なぜ子供は罰を受けたのか
罰を受けた理由が明確でなければ、子供に反省を促すことができず、おしおきの意味が半減。「何がいけなかったと思う?」と、子供の口から罰を与えられた理由を話してもらうようにすると効果的。
2. 子供のどの行動がダメだったのか
罰を与えられた理由と同時に、どうすればよかったのか子供に確認しましょう。子供に直接聞くことで、
- すべき行動をわかっていてその子供は約束を守らなかったのか
- そもそも約束自体や適切な行動がその子供はわからなかったのか
このどちらか判断することができ、子供の心理を読み解きやすくなるため効果的方法が明確になります。
3. 今後その子供はどうするのか
失敗を繰り返させないためにも、罰は与えたあとが非常に重要。「~しようね?」という口調で誘導するのではなく「次からどうする?」と答えを子供に約束を考えさせることが効果的な方法。親から言われただけのことは子供自身の中に深く入りにくい傾向があるもの。子供に自ら答えを導き出させ、内からの気づきを与えることが、次から気をつけるようになるための効果的なコツです。
子供にルールや罰を決めさせる方法
おしおきとして与える罰を納得するためには、同様の理由で、子供に約束事や罰を決めさせると効果的。たとえば、1日のゲーム時間を制限する約束を作るときなど、子供もルール作りに参加させましょう。
子供が1日にゲーム以外にしなければならないことや時間を話し合い、
「ゲームは1日1時間まで。約束を守らなかった3日ゲーム禁止」
などと約束を定める。
そうすることで、子供は
「自分が決めた約束なら守らなければならない」
という心理が働きます。
また、約束を破っておしおきや罰を与えられた際も
「約束を破ったから仕方がない」
と、納得することができます。
子供に罰を与える際、陥りがちな親の心理
子供に罰を与える際には、親自身が信念と自制心を持つことが必須ですね。罰を与えても上手くいかないという悩みには、
- 子供に罰を与えることを途中でやめる
- おしおきをしているつもりが、子供に八つ当たりをしてしまう
このような心理が要因となっていることがほとんど。
1. 子供に罰を与えることを途中でやめる
たとえば「1週間テレビ禁止」のような罰は子供の前に親の方が途中で心理的に挫折して放棄してしまうケースも。罰を途中でやめると、子供に「約束を破っても平気だ」という心理を植えつけてしまい、罰を与える効果が非常に薄くなるため、悩みが深刻化しやすくなるパターン。
2. おしおきをしているつもりが、子供に八つ当たりをしてしまう
子供が約束を破るとどうしても親はイライラしてしまいがちで、その心理をプラスした重い罰を与えてしまう失敗も。感情と罰は分けて考え、事前に決めた罰のみ子供に与えるよう注意が必要。
ただし、子育ては何かとストレスが溜まるものですね。どうしても子供が約束を守ってくれない、行き過ぎた罰を与えることをしてしまう、おしおきが効果的に効かない、などの悩みはどの親にもつきもの。そのようなときには、子育てや心理学などに精通したプロのカウンセリングに通うのも1つの効果的な方法です。
特にるーちん先生のカウンセリングでは子育ての悩みを専門家に相談することができるだけでなく、乳幼児・思春期の子供の行動心理や親の心のコントロール法、具体的な子育ての改善法を知ることができると好評。なぜこれまで上手くいかなかったのか明確になって気が楽になり、効果的なしつけの手法やコツを身につけることができるため、とてもおススメ。
子供のこれからの人生は長くかけがえのないもの。大切な子供の人格形成やしつけは親にしかできない責任、その子供に合った最善策をみつけていきたいですね。